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後遺障害と素因減額

交通事故の損害賠償の示談交渉(または裁判)では、交通事故の加害者側から素因減額が主張されることがあります。

そもそも素因減額とは何なのか、主張された場合どうすればいいのか、医療の国家資格を有していて交通事故事件に詳しい弁護士が解説します。

 

素因減額(そいんげんがく)とは

交通事故の被害者の方の怪我が後遺障害に認定され、損害賠償の示談交渉が始まると、交通事故加害者側保険会社または保険会社側弁護士から、「今回の交通事故の損害には被害者の方の素因(そいん)が関係しているので、減額が相当だと考えます」と、損害賠償の減額を主張されることがあります。

これが素因減額の主張です。

では、素因とはなにか、というと、交通事故の被害者の方が交通事故の発生する前から元々持っていた因子のことです。

 

つまり、交通事故の怪我による損害や後遺障害の損害には、被害者側の要素がかかわって損害の金額が増えているので、その分を減額するべきだ、という主張が素因減額です。

素因として主張される要素

素因とは、それによって後遺障害の症状が重くなるようなものなので、交通事故の怪我と関連する部位、症状について主張がされるのが一般的です。

たとえば、

  • 交通事故による腰椎椎間板ヘルニアと変形性腰椎症の素因
  • 交通事故による頸椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の素因
  • 交通事故による大腿骨の骨折と骨密度の低下の素因

などです。

 

つまり、素因として元々疾患の要素があったことから、交通事故による後遺障害が発生した、と主張しやすい既往症があると、素因減額が主張されやすいのです。

素因減額が主張される理由

交通事故の被害者に素因があるかどうかは、交通事故発生後の医療画像や診断書などの結果から読み取れます。

交通事故によって怪我が発生した場合は、当然怪我をした部位の医療画像を撮影しますから、その時点での身体の状態がわかります。

そして、例えば変形性腰椎症などの場合は、骨の端に棘のようなものができる骨棘(こつきょく)や、骨と骨の間にある椎間板の加齢性の変化が読み取れます。これらの所見は怪我をしてすぐに出るような所見ではないので、交通事故の発生前からあったものだとわかるのです。

交通事故加害者側の保険会社または弁護士は、交通事故発生直後から病院に治療費を払うことを前提として、交通事故の被害者から病院での医療情報を開示することについて同意を得ていることが通常です。

 

そのため、交通事故後の医療画像を取得し、交通事故の加害者側の保険会社において顧問医の意見を聞き、素因減額を主張することが出来るのです。

素因減額が主張されることの問題点

交通事故の損害について素因減額が主張された際、一番問題になるのは、交通事故の被害を受ける前には全く症状がなかったにもかかわらず、後遺障害の発生が素因によるものだと主張されることです。

交通事故被害者としては、後遺障害に関わる症状が交通事故の発生前になかったことは明らかですから、素因があるために減額されるということは到底了承できない主張だからです。

素因減額についての裁判所の判断

交通事故の後遺障害について、交通事故被害者側の弁護士と加害者側の弁護士が裁判所で争った事件は複数ありますが、その中でも弁護士、裁判所の中で有名な判決があります。

それは最高裁判所が平成8年1029日に出した判決で、首が多少長いという特徴がある被害者について素因減額が争われた事件です。

最高裁判所は、以下の通りに判断しました。

「しかしながら、被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合には、特段の事情の存しないかぎり、被害者の右身体的特徴を損害賠償の額を定めるに当たり斟酌することはできないと解するべきである。

けだし(なぜなら)、人の体格ないし体質は、すべての人が均一同質なものということはできないものであり、極端な肥満など通常人の平均値から著しくかけ離れた身体的特徴を有する者が、転倒などにより重大な傷害を被りかねないことから日常生活においては通常人に比べてより慎重な行動をとることが求められるような場合は格別、その程度に至らない身体的特徴は、個々人の個体差の範囲として当然にその存在が予定されているものというべきだからである。」

つまり、最高裁判所は、身体的特徴が「疾患」といえない限り、素因減額はしないという判断をしたのです。

この判決により、示談交渉または裁判においても、素因減額の判断の原則が定められました。

 

 

素因減額が主張された場合の被害者側の弁護士の反論

交通事故加害者側の保険会社または弁護士から素因減額が主張された場合、交通事故被害者側の弁護士は、まず被害者の方の医療情報を正確に把握しなければなりません。

基本的には診断書や医療画像によってある程度の医療情報は読み取れますが、それで足りなければカルテを開示して読んだり、医療画像を他の医師に診てもらって診断をしてもらったりすることもあります。

そして、交通事故加害者側の保険会社または弁護士が主張する素因が「疾患」といえるのか、を検討します。

 

その上で主張された素因が「疾患」でない場合には、例えば交通事故被害者の過去の医療画像を開示したり、健康保険の使用履歴を開示したりして、交通事故被害者に交通事故発生前に症状が無かったことを証拠化します。

これらの作業には医療知識が必要になりますので、当事務所の弁護士のように、医療知識がある弁護士が事件を担当すると安心です。

 

 

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