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交通事故の示談交渉がまとまらなかった場合、多くの場合は裁判になります。
ではどのくらいの事件が裁判になり、そこに至る場合はどのように判断をするのでしょうか。
東京都千代田区において交通事故事件を多く取り扱っており、医療の国家資格を有する弁護士が詳しく解説します(当法律事務所の弁護士の経歴はこちらへ)。
裁判に至る事件の割合
交通事故被害者の方からの弁護士への相談の席で、「弁護士に依頼するとすべて裁判になるんですか?」というご質問を受けることがあります。
結論から言うと、ほとんど裁判になりません。
経験上、ご依頼いただいた件の中で裁判まで至る割合は10%未満です。
弁護士が交通事故のご依頼を受けた場合、まずは相手方保険会社(または保険会社側の弁護士)との示談交渉を行います。その中で、慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益、過失割合など、様々な項目について互いの主張を行っていきます。
この示談交渉で被害者側弁護士として示談に至れるという損害賠償案が保険会社側から出てこなかった場合は、弁護士として依頼者に裁判を行うことをご相談していかなければなりません。
裁判に至る場合の判断
交通事故の損害賠償の場合、裁判をした場合の慰謝料等の基準は「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という1冊の本にまとめられているため、保険会社側も被害者側に弁護士がついている場合はこの裁判基準に近い損害賠償案を出してくるのが一般的です。
しかし、例えば交通事故で負った怪我が後遺障害となり、その後遺障害について被害者が認識している等級として認定されなかった場合、示談交渉で解決することはできません。この場合は裁判を行うことが前提となります。
また、交通事故による後遺障害の逸失利益について、その計算基準の主張に争いがある場合も、裁判になることが多くなります。
そのため、裁判まで至る件は、「かりに裁判をした場合に認定される可能性が高い損害賠償金額」と保険会社の損害賠償案とに大きな差額がある場合になります。
さらに、交通事故が発生したことについての責任の割合(過失)について大きな争いがある場合にも、示談で解決することは難しくなります。
ただし、裁判をすれば必ず認められる金額というものはありませんし、裁判を始めてから解決に至るまでは半年から1年を超える期間がかかるため、弁護士としては可能な限り被害者の負担が少ない示談での解決が望ましいと思われます。