交通事故によるCRPS(複合性局所疼痛症候群)と後遺障害
         /ハビリス法律事務所(東京都千代田区)

交通事故の後遺障害について、医学の国家資格を持ち、専門知識を武器に交通事故被害者の味方となる弁護士が詳しく解説します。

ご存知ですか?

交通事故の後遺障害は、治療を受けていればそれだけで適切な認定を受けられるものではありません。被害者の側でしっかりと証拠を作っていかなければ、後遺障害が残っても等級が認定されないことが多々あります。

そのため、後遺障害が発生しそうな重症なお怪我を負われた場合、交通事故から早期に、交通事故と医療に詳しい弁護士にご相談される必要があります

適切な後遺障害の認定がされなければ、その損害は数百万円から数千万円になることもあります

適切な損害賠償を得るために、知っていただきたいことがあります。

ここでは、交通事故によるCRPSと後遺障害について、東京都千代田区において交通事故事件のご相談を多く受ける理学療法士かつ弁護士が、詳しく解説します。

目次

CRPSの概要

CRPSComplex Regional Pain Syndrome:複合性局所疼痛症候群)とは、怪我が治った後にも痛みが続くもので、その痛みが元々の怪我から想定される程度よりも相当に強度なものを指します。

交通事故で骨折や神経損傷を負った場合に、この怪我が治っても非常に強度の痛みが続く場合に、このCRPSという病態が問題になることがあります。

 

CRPSは、強度の痛みを特徴とする疾患である

  • カウザルギー
  • 反射性交換神経性ジストロフィー(RSD

という2つの疾患を、新たに1つの病態として名前を統一したものです。

判定基準

CRPSについては、2008年厚生労働省研究班による複合性局所疼痛症候群のための判定指標が出されています。

この指標が診断基準ではなく「判定基準」と呼ばれるのは、CRPSが疾患ではなく、複数の病態(症状)の集合体であると考えられているためです。

判定基準には臨床用と研究用のものがありますが、ここでは臨床用の判定基準を記載します。

CRPS判定指標(臨床用)

病気のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち2項目以上該当すること。

ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい。

1.皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化

2.関節可動域制限

3.持続性ないしは不釣り合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み
  (患者が自発的に述べる)、知覚過敏

4.発汗の亢進ないしは低下

5.浮腫

 

診察時において、以下の他覚所見の項目を2項目以上該当すること

1.皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化

2.関節可動域制限

3.アロディニア(触刺激ないしは熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)

4.発汗の亢進ないしは低下

5.浮腫

この判定指標に該当すれば、CRPSの可能性が高いといえます。

ただし、この判定指標は、補償や訴訟の判断などの目的で使用するものではないとして出されています。

なお、CRPSは比較的新しい概念であり医師の先生方の間でもこの判定指標はそれほど一般的ではありませんので、医師の先生にCRPS、RSD、カウザルギーと診断された場合でも、実際には判定指標に当てはまらない場合があります

治療

関節可動域訓練

CRPSは一部の人のみに発症しますが、その原因ははっきりしていません。受傷の仕方、傷の状態、ギプスなどの固定の程度と期間など複数の因子が関与するとされています。

橈骨遠位端骨折後においては、ギプス固定の圧とCRPSの発症とには因果関係があるとされています。

治療は、理学療法として、運動の前に患部の温熱療法や温冷交代浴、低出力のレーザー照射を行い、患部の痛みを弱め、筋肉をリラックスさせることがあります。その後関節を動かしていきますが、痛みが強度でセラピストが動かせない場合には、患部から離れたところを動かしたり、患者自身が関節を動かす自動運動が行われたりします。

また、筋力の維持、回復のために筋力トレーニングを行いますが、痛みのために拒否傾向にならないように進めていきます。

 

薬としては、抗炎症薬を服用したり、神経ブロック(注射などで痛みを感じている神経機能を停止し、痛みを軽減させる治療)が行われることもあります。

後遺障害

後遺障害の申請準備について

交通事故の後遺障害についての等級の審査は、医学の資格を持たない方によって行われることがほとんどです。そのため、後遺障害の申請をする側で、適切に等級が認定されるようにしっかりとした資料を準備する必要があります。

ところが、交通事故被害者の方は通常医学的知識がありませんし、弁護士も交通事故事件を担当することで少しずつ該当箇所の医学知識を学んでいくことになりますので、十分な医学知識を持った弁護士はほとんどいないというのが現状です。

医学知識がない状態で後遺障害の等級申請を行うと、必要な検査が足りなかったり、資料の誤記をそのままにして申請をしてしまったり、交通事故被害者の方の怪我の状態を正確に把握することができず、後遺障害に該当する部分についての資料を準備しないまま申請をしてしまうことがあり、後遺障害が適切に認定される可能性が下がってしまいます

当法律事務所は、理学療法士という医学の国家資格を有する弁護士が事件を担当して、しっかりとお怪我の状態を把握した上で後遺障害の申請手続きを行いますので、このような心配はありません。

当法律事務所の弁護士は、理学療法士として病院で勤務していた際、後遺障害の診断書の検査の測定なども行っていますので、後遺障害の診断書の作成依頼や、完成した診断書の内容の把握が正確に行えます

後遺障害の等級は、等級が適切に認定されるかどうかで交通事故の損害賠償の金額が数百万から1千万円以上変わるものです。

ぜひ、しっかりとした医学知識がある弁護士にご相談ください。

後遺障害の具体的な基準

痛みに対する後遺障害は、通常は第12級と第14級に認定される可能性がありますが、CRPSに限ってはそれに限らず第7級と第9級に該当する可能性がでてきます。

7級と第9級の判断基準は以下のとおりです。

第7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第9級10 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

ところが、CRPSの場合、ただ痛みによって労務が制限されていても等級は認められせん

そもそも、自賠責の後遺障害の等級の判断基準は労働災害の後遺障害の基準をほぼそのまま使用していますが、労災の後遺障害において、CRPSという概念はありません。そのため、自賠責においても、CRPSを後遺障害として認める基準がないのです。

 

労災では、カウザルギーと反射性交感性ジストロフィー(RSD)に分けて認定がなされています

カウザルギー

(末梢神経の不完全損傷によって生じる灼熱痛)

  • 血管運動性症状
  • 発汗の異常
  • 軟部組織の栄養状態の異常
  • 骨の萎縮

を伴うもので、「疼痛の部位、性状、疼痛発作の頻度、疼痛の強度と持続時間及び日内変動並びに疼痛の原因となる多角的所見などにより、疼痛の労働能力に及ぼす影響を判断」して等級の認定を行います。

反射性交感性ジストロフィー

RSD。神経の損傷が明らかでないが強度の痛みがあるもの)

  • 関節拘縮
  • 骨の萎縮
  • 皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)

の3つの症状がいずれも明らかに認められる場合に、「疼痛の部位、性状、疼痛発作の頻度、疼痛の強度と持続時間及び日内変動並びに疼痛の原因となる多角的所見などにより、疼痛の労働能力に及ぼす影響を判断」して等級の認定を行います。

この2つの大きな違いは、「神経の損傷」があるか否かです。

この2つの基準のいずれかに該当すれば、自賠責保険においても後遺障害が認定されることになります。

ところが、カウザルギーと反射性交感性ジストロフィー(RSD)は等級の認定に「骨の萎縮」を要件としていますが、CRPSの判定指標においては「骨の萎縮」が要件とされていません。

 

そのため、カウザルギーと反射性交感性ジストロフィー(RSD)には該当しないが、CRPSの判定指標には該当するという場合がでてくるのです。

裁判においてCRPSによる後遺障害の等級が争われた場合に、その判断は労災の基準に該当するもののみ後遺障害を認定するもの、医学的な基準に照らして後遺障害を認定するもの、どちらも総合的に判断して後遺障害を認定するものと裁判官によって判断が分かれています。

また、自賠責保険において等級が認められなかった場合に裁判で等級が認められたケースは多くありません。

CRPSは比較的新しい概念ですから、労災、自賠責保険、裁判所での取り扱いが定まるまでには恐らく相当の期間が必要になると思われます。

このように、後遺障害の認定は細かく基準が決められているため、お怪我の状態に合わせて適切な検査結果をそろえて後遺障害の申請を行わなければ適切な後遺障害が認定されません。

そのため、後遺障害の申請は、お怪我の状態を正確に把握し、後遺障害診断書などの医学的資料を適切に把握できる弁護士が行うことが理想的です。

ところが、依頼する弁護士によっては、お怪我の状態やカルテ、診断書を正確に把握することができません。

ぜひ、後遺障害に詳しい弁護士にご相談ください。

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