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健康保険の利用等(弁護士向け)

健康保険の利用等

交通事故で発生した被害者の怪我が重症で、複数の手術が必要になる場合など、医療費が高額になることが予想される場合、加害者側保険会社から健康保険を利用するように依頼されることがあります。

交通事故の被害者側弁護士として、なぜこのようなことが起こるのか、被害者にとってメリット&デメリットがあるのかについて知っておいてほしいと思います。

健康保険の仕組み

まず、医療費の基礎知識ですが、医療機関は患者が健康保険を利用する場合、自己負担分は患者本人から支払ってもらい、その余の部分は患者が所属している健康保険組合に請求します。

この場合、算定される医療費は診療報酬1点=10円で計算されます。

診療報酬は、怪我の種類や手術の方式によって点数が定められています。病院は、この診療報酬の基準に従ってかかった医療費を計算しています。

 

1ヶ月の間に使用した医療費は、診療報酬明細書(これを「レセプト」と呼びます)として、翌月の上旬までに健康保険組合に送られます。健康保険組合ではレセプトの審査を行い、その審査に通れば、健康保険組合が負担する医療費が支払われます。

健康保険の診療点数

交通事故の怪我の場合、病院は診療報酬の基準に縛られずに自由に医療費を設定することができます。これは、交通事故による怪我の場合、複数の箇所に同時に検査が必要であったり、診療報酬内の治療ではカバーできない治療を選択したりできるようにしたものです。

さきほど記載したとおり、健康保険で算定される医療費は診療報酬1点=10で計算されます。

その一方、交通事故の自由診療の医療費は、1点=20で計算されることが多くなります。

労災の場合に準じて、1点=12円で計算する病院もあります。これは病院が交通事故の医療費を1点何円に設定しているか、という問題ですので、病院によって設定が異なります。

つまり、交通事故の医療費の場合、健康保険を利用した医療費の2倍になることが多いのです。重症な怪我の場合は、入院費用や手術費用、外来での通院費用も併せて医療費が数百万円になることも多くあります。

自賠責保険の傷害部分の保険金額は120万円ですから、この金額を治療費が超えると、任意保険会社の支払金額は増える一方です。

そのため、任意保険会社は医療費を少なくするために、健康保険の使用を促すのです。

 

任意保険会社は第三者行為災害として、健康保険組合に医療費を求償されることになりますが、1点=20円の医療費が健康保険を利用することで1点=10円の設定となりますので、過失割合を考えなければ健康保険を利用することで医療費を半額にすることができるのです。

交通事故で健康保険を利用する場合

交通事故による怪我の治療を受ける際、健康保険を利用することは可能です。しかし、一定程度の注意が必要です。

まず、交通事故によって発生した怪我の治療費は加害者側が負担するべきものですから、健康保険組合は治療費を1回肩代わりして支払うにすぎません。健康保険組合が加害者側に対して医療費の支払いを求めることができるよう、交通事故で健康保険を使用する場合には、患者本人が健康保険組合に対して第三者行為災害届を提出する必要があります。この届けに交通事故情報や相手方の情報を記載することで、健康保険組合が加害者側に肩代わりした治療費の請求をすることが可能になるのです。

また、上述したとおり、健康保険を使用しての治療には診療報酬の基準があるため、例えば1日で必要な個所すべてのMRI画像を撮影することができず、数日に分けて撮影する必要がある場合があります。

しかしながら、そのような負担のある場合でも、健康保険を使用した方が交通事故被害者のためになる場合があります。

それは、交通事故の被害者に、交通事故の過失が存在する場合です。

交通事故で健康保険を使用しない場合、加害者側の任意保険会社が病院に対して支払いを行うことになりますが、被害者側に過失がある場合、医療費として支払われた部分の一部が過払いになります。その過払い金は、損害額が確定した際別の損害項目の金額から差し引かれます。そして、医療費が自由診療で1点=20円で計算されていた場合、健康保険の診療報酬での金額の2倍の金額が差し引かれることになります。

つまり、たとえば自由診療で600万円の治療費が既払いとなっており、過失が30%の場合、

600万円×30%=180万円

となり、180万円が慰謝料等から既払い金として差し引かれます。

これが健康保険を使用した場合、健康保険の自己負担金額を被害者が自身で負担して支払っていた場合、健康保険での負担割合が30%の場合の交通事故被害者の負担金額は

300万円×30%=90万円

となり、さらにその30%が過失割合部分となります。

90万円×30%=27万円

よって、この場合の被害者の自己負担部分は27万円となります。

なお、健康保険が支払った7割分の210万円は健康保険と保険会社の間で協議が行われます。

したがって、例えば自由診療で治療費600万円、過失30%の場合と、健康保険を使用して治療費300万円、過失30%の場合だと、180万円-27万円=153万円となり、損害賠償金の手取り金額が153万円も変わることになるのです。

このように、医療費が高額になる見込みで交通事故の被害者側に過失がある場合には、多少のデメリットがあるにしても健康保険を利用した方が依頼人の利益になることがあります。

交通事故被害者から相談を受けた弁護士として、「相手方保険会社から健康保険を利用するようにいわれたのですが、どうすればよいですか?」と聞かれた場合には、まず第一に交通事故の過失割合を確認するようにしてください。

 

むしろ、交通事故の過失割合が高く、かつ、ご本人が重症なけがを負っている場合には、積極的に健康保険を利用する必要性が極めて高くなりますので、その点を認識した上で相談にのることが望ましいと思います。

転院について

交通事故に遭って怪我を負い入院した場合、転院の問題がついてまわります。交通事故の相談を受ける弁護士として、または受任をした弁護士として、交通事故の転院事情について知っておいてもらいたいと思います。

まず、怪我の状態がひどく入院した場合ですが、病院には病期に応じた分類があります。それは、急性期、回復期、慢性期です。その名のとおり、大学病院や比較的大規模の病院は容体が安定していない患者や複雑な手術を必要とするため事故から早期の急性期病院となります。そこで容体が安定したり手術が完了したりすると、急性期病院は他の患者を受け入れる必要があるため患者を回復期病院へ転院させるか、退院が可能な状態であれば外来で治療をおこなっていきます。

回復期病院は術後すぐの患者や容体が安定した患者を受け入れて、数カ月リハビリを中心とした治療を行っていきます。そのため、回復期病院は比較的リハビリ施設が整っており、リハビリスタッフも多いという特徴があります。

最後の慢性期病院は、交通事故では比較的関連が薄くなります。単純な骨折などでは回復期病院である程度日常生活動作を獲得したうえで退院することになるので、壮年までの方であれば慢性期病院に入院することはほぼなくなります。

例外は、脳の機能に重大なダメージが生じ、重度の介護状態となった場合です。このような場合は例えば患者本人と意思疎通が図れない、介護が重度すぎて自宅で介護をすることが困難となるため、慢性期病院に入院したり介護保険施設に入所したりすることになることがあります。または、高齢の方だと下肢の重要部分の骨折により歩行が困難になったり入院をきっかけとして認知機能に問題がでて独居(一人暮らし)が困難になったりすることがあるため、慢性期病院や介護施設への入所が必要になることがあります。

このような場合には被害者の年齢に応じてご家族に介護保険の利用について促すべきですし、必要に応じて成年後見人の申請が必要になります。

急性期病院は術後経過観察を行い、問題がなければ転院を行います。長くても1か月程度の入院となることが多いと思われます。交通事故による傷害が重度で容体が安定しない場合等は例外的に数か月間の入院が行われることがあります。

回復期病院は数か月から長くて半年程度の入院期間になることが多いと思われます。

 

このように、交通事故の患者さんに限らず病期に応じて入院先が変わっていきますので、弁護士としては依頼人から転院の状況を聴取するようにしてください。

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